【完全ガイド】失敗しない給湯器の選び方!号数・種類・交換時期を徹底解説 - エコワン倉敷店

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2025.10.18

【完全ガイド】失敗しない給湯器の選び方!号数・種類・交換時期を徹底解説

 

はじめに:給湯器選びは「最高の快適」と「最高の節約」を決める重要な決断です

 

給湯器は、私たちの暮らしにおいて、水道・電気・ガスと並ぶ生活のインフラです。毎日使うお湯の量、温度、そして毎月の光熱費を大きく左右する重要な機器でありながら、多くの人にとって「壊れて初めて慌てる」存在かもしれません。

給湯器の交換は10年〜15年に一度の大きな買い物です。現在のライフスタイルだけでなく、5年後、10年後の家族構成や生活の変化を見据えて選ぶことが、後悔しないための最大のポイントとなります。

この記事では、給湯器選びで失敗しないために押さえるべき3つの最重要ポイントと、知っておくべき交換の基礎知識を、専門的な視点から徹底的に解説します。


 

第1章:最重要!家族構成で決まる「給湯能力(号数)」の選び方

 

給湯器選びで最も重要なのが、給湯器のパワーを示す「号数」です。号数は、「水温+25℃」のお湯を1分間に何リットル出せるかという能力を示しています。号数が小さいと、冬場に複数の場所で同時にお湯を使った際に、水圧が下がったり、お湯がぬるくなったりする原因になります。

 

1-1. 号数とは?:同時使用の快適さが決まる基準

 

号数 意味 快適に使用できる目安
16号 水+25℃のお湯を1分間に16L出せる 一人暮らしや、お湯を同時に使わない世帯
20号 水+25℃のお湯を1分間に20L出せる 2人家族、または3人家族で同時使用が少ない世帯
24号 水+25℃のお湯を1分間に24L出せる 3人〜5人家族、複数の場所で同時にお湯を使うことが多い世帯
28号 水+25℃のお湯を1分間に28L出せる 5人以上の大家族、または寒冷地でパワーを重視したい世帯

 

1-2. ライフスタイル別・適切な号数の決定ガイド

 

「現在の号数と同じものを選べばいい」と考えがちですが、家族構成が変わったり、冬場の水温が極端に低くなる地域では、一つ上の号数を選ぶことをおすすめします。

 

【号数決定のポイント:冬場を想定する】

 

給湯器の能力計算の基準となる「水温+25℃」は、水温が25℃以下の夏場を想定した基準です。しかし、冬場は水道水の温度が5℃以下になることもあります。

<例:4人家族(24号推奨)の場合の計算>

冬場に「シャワー(10L/分、42℃)」と「キッチン(4L/分、38℃)」で同時にお湯を使うと想定します。(水温5℃と仮定)

  • シャワーに必要な能力: (42℃ – 5℃)× 10L ÷ 25号 = 14.8号
  • キッチンに必要な能力: (38℃ – 5℃)× 4L ÷ 25号 = 5.28号
  • 合計:

この計算では20号で足りそうに見えますが、これは最大能力をギリギリで使う計算です。ここに「洗面所での手洗い」や「お風呂の足し湯」が加わると、20号では力不足となり、お湯がぬるくなる可能性があります。

  • シャワーと台所・洗面所(3箇所)での同時使用を想定する場合、24号を選ぶと冬場でも快適です。
  • 寒冷地や、二世帯住宅、浴槽の湯張り時間が気になる場合は、28号の検討をおすすめします。

 

1-3. 号数アップはガス代に影響するか?

 

号数を上げたからといって、ガス代が上がるわけではありません。ガス代は「使ったお湯の量と温度」で決まるため、燃焼効率の良い給湯器であれば、号数が大きくてもムダなガスを消費することはありません。むしろ、能力不足で何度も追い焚きをする方が、光熱費がかさむ原因になることがあります。


 

第2章:ランニングコストと機能で選ぶ「給湯器の種類」徹底比較

 

給湯器は大きく分けて「ガス給湯器」「石油給湯器」「電気温水器・エコキュート」の4種類があり、それぞれにランニングコスト、設置費用、機能、お湯の供給方式に大きな違いがあります。

 

2-1. 【ガス給湯器】主流の高効率モデル「エコジョーズ」

 

現在最も普及しているタイプです。必要な時にお湯を沸かす「瞬間式」が基本で、お湯切れの心配がないのが最大のメリットです。

 

(1) エコジョーズ(高効率ガス給湯器)

 

項目 特徴 従来の給湯器との比較
仕組み 従来捨てていた排熱を再利用し、熱効率を**95%まで向上させた省エネ型。 従来型(熱効率80%)に比べ、ガスの使用量を約15%削減**。
メリット ・ガス代が大幅に節約できる。 ・CO2排出量も削減でき環境に優しい。 ・瞬間式でお湯切れの心配がない。 ・本体がコンパクトで設置場所を選ばない。
デメリット ・本体価格が従来型より高い。(差額は数年で回収可能) ・ドレン排水工事が必要。(結露水を排出する配管) ・排熱の再利用に使う「中和器」の交換(約10年ごと)が必要。
適している人 ガス使用量が多い家庭(4人以上)、ランニングコストを重視する人、都市ガス・プロパンガスを問わず。

 

(2) 従来型ガス給湯器

 

項目 特徴
特徴 熱効率は約80%。エコジョーズよりも初期費用が安い。
適している人 一人暮らしなどガス使用量が少ない家庭、初期費用を極力抑えたい人。(ガス使用量が少ないとエコジョーズの節約効果が薄くなるため)

 

2-2. 【電気給湯器】深夜電力を活用「エコキュート」と「電気温水器」

 

電気の力でお湯を沸かし、タンクに貯めておく「貯湯式」が主流です。深夜の安い電力を利用するため、ランニングコストが非常に安いのが魅力です。

種類 仕組み メリット デメリット
エコキュート 大気中の熱を利用しヒートポンプで水を温め、電気代の安い深夜に沸き上げ貯湯。 ランニングコストが最も安い。オール電化に最適。 初期費用が最も高い。設置に広いスペースが必要。お湯切れの可能性がある。
電気温水器 内部のヒーターで水を温め貯湯。 エコキュートよりは初期費用が安い。 エコキュートより効率が悪く、電気代は高め
適している人 設置場所のスペースに余裕がある、オール電化の家庭、とにかくランニングコストを抑えたい人。

 

2-3. 【石油給湯器(灯油ボイラー)】寒冷地やパワフルさを重視

 

灯油を燃料とする給湯器です。灯油価格が安定している地域や、ガスよりもパワフルな給湯能力を求める寒冷地で選ばれます。

項目 特徴
メリット パワフルな給湯能力(特に寒冷地で有利)。灯油価格が安価な時期はランニングコストが安い。
デメリット 灯油タンクの設置場所が必要。灯油の補給が必要。灯油価格にランニングコストが左右される。
適している人 寒冷地に住んでいる、ガスや電気料金が高くなりがちな地域の人。

 

2-4. 給湯器の種類別 比較サマリー

 

種類 初期費用 ランニングコスト 湯切れの心配 設置スペース
エコジョーズ 中〜高 安い なし 小さい(従来型と同等)
エコキュート 高い 最も安い あり(タンク容量による) 広い(貯湯タンクが必要)
石油給湯器 中〜安い(灯油価格による) なし(瞬間式) 広い(灯油タンクが必要)

 

第3章:住宅環境で決まる!「設置場所と排気方法」の確認

 

給湯器は、法律や安全基準によって設置場所が厳しく定められています。交換の際は、現在の給湯器と同じ「設置タイプ」を選ぶのが基本です。

 

3-1. 戸建て住宅の給湯器設置タイプ

 

設置タイプ 特徴 排気方式
屋外壁掛け型 最も一般的でコンパクト。戸建ての壁面に設置。 屋外排気(FE/FF方式)
屋外据置型 地面やコンクリート台の上に設置。大容量タイプや暖房機能付きに多い。 屋外排気(FE/FF方式)
屋内設置型 玄関横やパイプシャフト内に設置。排気筒の設置や消防法遵守が必須。 強制排気型(FE)/強制給排気型(FF)

 

3-2. マンション・集合住宅の給湯器設置タイプ

 

マンションでは、給湯器の設置場所が共用部分にあたるため、管理規約によって交換できる機種が厳しく制限されています

設置タイプ 特徴 注意点
PS(パイプシャフト)設置型 玄関横の扉内に設置されるタイプ。扉内設置専用の薄型タイプを選ぶ必要がある。 給排気の種類(前方排気、後方排気など)が限定される。現行機種と同じ排気方式を厳守。
ベランダ壁掛け型 ベランダの壁面に設置されるタイプ。 隣家との距離や排気方向が問題になる場合がある。

【重要】排気方向は絶対に勝手に変えられない! 給湯器から出る排気ガスは高温で、近隣の窓や換気口に入ると危険です。現在の給湯器の排気方向(例:上方排気、側方排気など)を必ず確認し、同じ排気方式の機種を選びましょう。


 

第4章:給湯器の寿命と交換!費用を抑えるための基礎知識

 

給湯器が完全に壊れてから交換しようとすると、選定や工事に時間がかかり、数日〜数週間お湯が使えない生活を強いられる可能性があります。給湯器の寿命と交換のサインを理解し、計画的に交換することが重要です。

 

4-1. 給湯器の寿命は何年?交換時期の目安

 

種類 一般的な寿命 交換のサイン(予兆)
ガス給湯器 10年〜15年 10年を超えたら要注意。
電気給湯器 10年〜15年(ヒートポンプユニット)、15年〜20年(貯湯タンク) 15年を超えたら要注意。

【チェックすべき交換のサイン】

  1. お湯の温度が不安定になる:急に熱くなったり、ぬるくなったりする。
  2. リモコンにエラーコードが頻繁に出る:再起動してもすぐにエラーが出る。
  3. 異音・異臭がする:「ピー」「キュルキュル」という異音や、焦げ臭い・ガス臭い匂い。
  4. 本体から水漏れする:配管の劣化や内部の破損。
  5. 製造から10年以上経過している:部品の保有期間が終了すると、修理ができなくなる可能性が高い。

 

4-2. 交換にかかる費用の内訳と相場

 

給湯器の交換にかかる費用は、主に「本体価格」と「工事費用」に分けられます。

費用項目 内容 費用の目安(合計相場)
本体価格 給湯器本体、リモコンセット(台所・浴室) 15万円〜40万円 (機種による幅が大きい)
工事費用 既存給湯器の撤去・処分、新規取り付け、配管接続、リモコン交換・配線など。 4万円〜8万円 (一般的な交換の場合)
総額目安 20万円〜50万円

【費用を抑えるポイント】

  • 相見積もりを取る:複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼し、比較検討する。
  • 「エコジョーズ」の補助金を確認する:自治体によっては、高効率給湯器への交換に対し、補助金や助成金制度を設けている場合があります。
  • 冬場を避けて交換する:12月〜2月は故障が多くなり、工事が込み合い、価格が高くなる傾向があります。

 

4-3. 信頼できる業者の選び方

 

高額な買い物になるため、業者選びは慎重に行う必要があります。

  • ガスや水道の専門資格を持つ業者を選ぶ:特にガス給湯器の場合、ガス機器設置スペシャリストなどの資格を有しているか確認しましょう。
  • 見積もりの内訳が明確か:「本体価格」「リモコン代」「工事費」「処分費」などが細かく記載されているかチェックする。
  • 保証内容が充実しているか:メーカー保証だけでなく、業者独自の延長保証や工事保証があるか確認しましょう。

 

まとめ:あなたの家に最適な一台を見つけるために

 

給湯器選びは、単に安い機種を選ぶのではなく、「家族の快適性」「未来の光熱費」「設置条件の適合性」のバランスを見て総合的に判断することが大切です。

  • 号数:現在の家族構成だけでなく、将来の家族増加や冬場の使用状況を考慮し、24号以上を検討する。
  • 種類:ガス代を削減したいなら「エコジョーズ」、広い設置場所と深夜電力を活かせるなら「エコキュート」が有力候補。
  • 設置場所:特にマンションの場合、排気方式を含め、必ず現在と同じ設置タイプの機種を選ぶ。
  • 交換時期:10年を過ぎたら「壊れる前」に計画的に交換を。

この記事が、あなたの快適で経済的な暮らしを支える「最適な給湯器」選びの一助となれば幸いです。

 

 

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